top of page

筋肉のはなし

ここではパーソナルストレッチを効果的に受けてもらう為の知識をシェアさせていただきます。

體に興味がある方はどうぞ。

 

筋肉と筋膜

先ずは筋膜の話から。筋肉は筋繊維がまとまったもので、そのまとまりを小さい方から、筋原線維、筋繊維、筋束、筋肉となります。その束のまとまりの周りには筋膜があります。筋繊維の周りには筋内膜、筋束の周りに筋周膜、筋肉の周りには筋外膜。更に筋肉の両端にある腱の周りには腱膜。そこから骨を覆っている骨膜があります。ここではそれらをまとめて筋膜(Facia ファッシァ)と定義します。

 

筋肉と筋膜はともにタンパク質できていますが、筋肉の主成分は、アクチンとミオシンという伸縮性の高いタンパク質。筋膜の主成分は、コラーゲンとエラスチンという2種類の線維状のタンパク質です。

コラーゲンとエラスチン線維は互いに交差し格子状になっています。その隙間を水分とグリコサミノグリカンという液体で満たされていて、筋膜同士が滑る事(グライド)により筋肉の伸び縮みや関節可動がスムーズに行われます。状態の良い筋膜は、格子状の配列が整っていて適度な弾性、滑性があります。

 

筋膜と水分補給とストレッチ

ストレッチは水分補給にも直接影響します。人間の体の体積の約3分の2は水で構成されています。筋肉や筋膜系などの結合組織はスポンジのように機能します。負荷が加わると、伸張または圧縮によって、かなりの量の水が筋膜、から押し出されます。 伸長または圧縮後に組織を休ませた後、伸張前よりも多くの液体が組織に急激に戻ります。(超補償水和現象)

 

想像してみて下さい、乾いたスポンジを水の入ったバケツに入れます。水がスポンジを吸収してスポンジが膨らみます。そしてスポンジを水の中で絞ります。スポンジを放すと、が再び膨張します。これは健康な筋膜(水分を含んでいて動きやすい)を象徴しています。次にスポンジを水から取り出します。スポンジを絞って、できるだけ水を絞ります。スポンジに新しい水が流入させず放置しておくとスポンジが縮んで硬くなります。これは、脱水し、動かなくなり、炎症を起こした筋膜組織を表します。このことから分かるようにストレッチ前後や日頃のの水分補給が大切になってきます。

 

デイビスの法則という人間の軟組織(筋膜)は外からの力に対して平行に筋膜の組織、筋が並ぶ性質があります。正常な筋膜の場合は繊維組織が筋肉の動く方向に配列しているのでスムーズに滑走します。しかし、日々の生活のなかで色々な動きをすることによって縦横斜めと多方向からの力が加わります。そうすると筋膜も縦横斜めと色々な方向に繊維が並び始め、更に多方向からの力が加わり続けると筋膜がもつれ、ガチガチになりアドヒージョンと呼ばれる癒着がおこり瘡蓋のようなものが出来上がり動きが悪くなります。

 

運動不足や姿勢不良、疲労などでダメージが加わり続けると、血流が悪くなり、組織が求める酸素や栄養素が十分届かなくなり、代謝で生じた老廃物、疲労物質がどんどん溜まってきます。

すると筋膜中の水分の入れ替わりが邪魔され筋膜の滑りが悪くなります。

そして物理的な筋膜同士の「癒着」が起こります。筋膜の格子形状の捻じれや歪み、弾性の低下を引き起こし動きが制限されてきます。

筋肉や関節は、筋膜で包まれているため、筋肉・関節と筋膜同士で癒着が起こると、動きも姿勢も不自然になり、凝りや痛みも一層強くなります。

筋肉もアルデンテが最高の状態。

あなたは、パスタは好きですか? 

何の話かと言いますと、

今までの話をパスタに例えてみますね。

ちょっと想像してみて下さい。
スーパーに売っている、袋に入った600g入りのパスタの乾麺。
あれがまさに筋肉の構造なのです。

1本1本の麺が100gごとに束になってその束が6束が袋にパッケージされています。
筋肉に例えるのなら、あの袋に入ったまとまりを私たちは筋肉と呼んでいるのです。

↑↑            こんなイメージ   ↑ ↑


そして

「外側の袋」

「100gごとに束ねているもの」

「麺いっぽん一本の周り」

それぞれに膜があります。

 

その膜同士が滑る事によって筋肉が動くのです。

その膜を「筋膜」と言います。

筋肉のイメージ図↑


そして、さらにイメージしてみて下さい。パスタが一番おいしい状態は?
そう、アルデンテ。

フォークですくい、丸めて口に運ぶと適度な弾力とプリッとした食感が癖になりますよね


でもどうでしょう、このアルデンテをそのまま放置しておくと麺に弾力が無くなってきます。そして麺同士がくっついてフォークですくおうとしても取れなくなってしまいます。
さらに放っておくとホコリがついたり麺が乾燥して硬くなってしまいます。こうならない為に余った麺に油を絡めラップをするなどして、なるべく良い状態をたもてる様に工夫すると思います。

筋肉も同じなんです。はじめは適度な弾力があって、滑らかに動く、イイ状態。(アルデンテ状態)

それが、年齢がかさむ、運動不足、または運動し過ぎ、筋疲労などで、だんだんと潤滑液が減ってきて老廃物が溜まり、うまく動かなくなってきます。(麺がくっ付き、ホコリが付き、乾燥した状態)そこでストレッチをすると潤滑液が入り、パスタに油をかけた状態になるんです。そして、お水を飲んだり、適度な運動をすると、その潤滑液が保たれやすくなるんです。

 

だからストレッチは最高の筋肉、筋膜のケアなんです。

 

そして、この冒頭でお話ししたように、筋膜には、ある特定のつながりがあります。そのつながりを見極めながらストレッチすることにより、より効果的で効率的なストレッチになるんです。

 

するとご自身でも気持ちよく伸ばせるようになってきます。

 

このつながりを「Myofacial Network」(筋肉と、筋膜のネットワーク)とよびます。

筋膜と固有受容器

筋膜には動きや姿勢の情報を脳に伝えるためのセンサーがあり、それが固有受容器とよばれる神経細胞です。

固有受容器は大まかに3つの機能があります。

  1. 運動のコントロール 

  2. 力加減のコントロール 

  3. 身体のバランスを保つ

 

筋膜の状態が良好だとこの固有受容器がしっかり作動するので、ラクに良い姿勢を保つことができ、身体の動きもスムーズです。

しかし、筋膜が歪んだり、癒着が生じると固有受容器の働きは鈍ります。

すると、意識してもなかなか良い姿勢がとれなくなり、身体の動きもぎこちなくなったりします。

 

ストレッチをより効果的するセルフケア、フォームローラー。


凝りや痛みを発する筋肉や筋膜には微細な損傷があり、そこに免疫細胞が集まり、新たな線維状の組織を作り修復を試みます。しかし、その修復が下手だと歪みや捻じれなどが生じ、それが新たな凝りや痛みの元になります。そこで、フォームローラーを使ったセルフ筋膜リリースを行う事で新しくできた組織を、元の組織にフィットするように正しい方向に直す働きがあります。 また筋膜中の水分の入れ替えを促し筋膜同士の滑走を正常に戻すのに貢献します。すると筋膜中の老廃物が押し流され、新たな栄養のある水分が流入されます。また、フォームローラーは、筋肉、筋膜を押し広げるミクロのストレッチとしての作用もあります。

このようにフォームローラを使ったケアが出来ているとこちらでのストレッチもより効果的に筋肉が伸びやすくなります。

 

また、こちらにご来店の際に今のあなたに必要なケアを個別にお教えします。

 

ストレッチワンカマクラではこの筋膜の配列、筋膜の滑走(グライド)を整えながら、更に筋膜ネットワーク(筋膜の繋がり)を見ながらストトレッチを行い柔軟性を上げていきます。

そして、體の使い方、神経伝達、動作の強さを考慮しながら、可動性を上げ安定した身体動作を出来る様サポートします。

bottom of page